Vol. 14

店頭販売1000倍計画「第14回 窓販における課題 2」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.10.03

“入り口はプッシュセールスでも”

預金しか経験のないお客様が、テラーの努力で初めて投資型金融商品を購入しました。さて、その後のフォローはきちんとできていますか。

店頭販売が増え顧客の数が増えれば、販売担当者がすべてのお客様をきめ細かくフォローできないのは仕方ないと私は考えますが、いかがですか。確かに、理想は証券会社のような担当者制でしょうが……。

「Q14 人やお金をかけず、効果的にアフターフォローができる方法はないでしょうか?」 「A14 一般的にはコールセンターやインターネットを通じた情報提供が、アフターフォローの主流でしょう。しかし、私が個人部所属時代にやりたくても実現できなかった方法は、そんな大掛かりなことではありません。それは、①法定帳簿類の活用、②セミナー講師の育成、③VTRの活用、の3点でした。」

“法廷帳簿類の活用”

法定帳簿類には、取引報告書、取引残高報告書、収益分配金のご案内等があります。世間の常識で考えれば、読めばすぐに理解できる書類が送付されるべきですが、法定用語などが多く非常にわかりにくいのはご存じのとおり。「取引報告書の見方」などという冊子が存在するのもナンセンスです。

しかも、それらを相当の郵送コストをかけて、かなりの頻度で送っています(毎月分配型のファンドの保有者が10 万人いれば、郵送コスト=年間10 万人×60 円×12 回=7200 万円にもなります)。

もちろん法廷帳簿の書式を変えることは困難ですが、せめてお客様が楽しみにされている分配金のお知らせなどに、クレジットカードの利用明細のようにDMを同封してみてはいかがでしょうか。一律同じ案内をするのもよし、あるいはセグメントして、キャンペーンや新商品の紹介、セミナーの案内などをすれば、様々なクロスセルができるかもしれません。

“セミナー講師の育成”

既購入者向けのセミナーは、運用会社や保険会社に講師をお願いして、かなりの回数を実施しました。商品内容の再確認にもなり、ご不満をお持ちのお客様のフォローにもなるため、おおむねご好評をいただきました。

このようなセミナーもむろん大事ですが、私が実施したかったのは、支店担当者をセミナー講師に育成することでした。支店担当者に自らセミナーを企画する自主性を植えつけ、今までの銀行員にないスキルを身につけさせることが、個人にとっても会社にとっても大きな財産になると考えたからです。

運用会社や保険会社では、プレゼンテーションスキルの習得など、研修の仕組みが充実しています。銀行もそのようなノウハウをご教授いただき、優れた人材を年間数人ずつでも育成することが、今後のアフターフォロー体制に有効ではないでしょうか。

“VTR(映像)の活用”

ご家族の反対が原因で、投資型金融商品の契約ができなかった――こんなケースは意外と多いものですが、それを回避するする手段としてVTRを活用してみてはいかがでしょうか。

例えば「こちらをご家族でご覧ください。そしてなおご不明な点がありましたら、ご家族ご一緒にご来店下さい」。そう言って、商品案内のVTRやDVDをお渡しするような感じです。

テラーでも説明が難しいものを、お客様がご家族に説得するのは無理があります。また今後、いっそう説明の難しい商品が登場してきても、対面セールスを補強するツールとして活用できるのではないでしょうか(ただし映像だけで完結するなどと、決して夢見ないこと)。また、自行のHPやATMコーナー、プラズマディスプレイなどでご覧いただけるようにしてもいいかもしれません。

次回は、いよいよ最終回です。