- CATEGORY
- ニッキン投信年金情報
- DATE
- 2005.09.26
“自らの反省を踏まえて”
前回までは研修の実際について、いろいろお話してきました。ここからの3回は、自らの反省も踏まえ、今後の窓販でこんなことができたらというような話をさせていただきます。
投資信託や個人年金保険といった商品は、それを販売する銀行の財務内容などによって価値が左右されるものはありません。また一時的な先行メリットはあってもすぐに他社が追随してくるため類似した商品も多く、商品内容で差別化することが難しいものです。つまり、このような商品を販売するリテール営業に求められるスキルとは、本来非常に高度なものといえるのではないでしょうか。
さらに今後、投資に関して目が肥えてきたお客様や、インターネットでリサーチしたりすることに慣れている団塊の世代のお客様が増えてくれば、販売員のスキルに対する期待値はいっそう高くなります。
しかし今までの銀行では、法人営業に比べリテール営業に期待されるスキルは低かったですし、いまだそのように誤解をしている人たちも少なくないと思われます。
“リテール営業の時代がやってくる”
リテール営業とは、銀行業務の中でも最もカウンセリングやコンサルティングのスキルが求められる業務であり、そこで実力を発揮している営業員が銀行内で注目の的となるのはもちろん、どの企業からも引っ張りだこになる時代が、すぐそこまで来ています。
「Q13 そのような認識に立って、今いちばん後悔していること、それは何でしょう?」
「A13 それは、プッシュ型のセールススキルに注力しすぎたことです。」
2001 年ごろからの販売実績の積み重ねがなければ、今のように「店頭は投資型金融商品の重要なチャネルである」とか、「店頭販売比率を上げる」などという言葉が頻繁に語られるようにはならかったでしょう。
いくぶん言い訳になりますが、投資型金融商品に関して何の知識も経験もないテラーがそこまでの実績を上げ、販売する勇気と喜びをわかるようになるには、画一的なプッシュセールスを徹底的にトレーニングする以外に方法はなかったのです。
そのために「すぐに売れる」「簡単に売れる」ことに傾注しすぎて、よりいっそうの顧客満足を提供できる研修などはなかなかできませんでした。(現在は研修も進化して、そのような方向に向かっているようです)
“プッシュセールスだけでは行き詰る”
店頭販売が組織的に順調に推移してくれば、実績の期待値もどんどん上がってきます。そのような時に画一的なプッシュセールスしか手段がなければ、テラーたちは精神的にだんだん疲弊し、モチベーションも下がっていくでしょう。
そろそろ、すべてのテラーが「100 万円で毎月○○円の分配金が期待できます」から一歩踏み出して、顧客満足をより高める提案をするにはどのような手法があるのかを、真剣に考える時が来たのではないでしょうか。
“最高の顧客満足を提供するには”
お客様に最高の満足を提供できれば、クレームなどから販売員を守ることになり、販売員の地位の向上にもつながります。そして、ノルマに追われつつも一所懸命頑張っている販売員たちのモチベーションを、さらに高めることもできるでしょう。
販売員にとっての最高の喜びは、上司に誉められることよりも、お客様に本当に感謝されていると実感できた時なのですから。
ではどうすれば、最高の顧客満足を提供できるスキルを身につけることができるのでしょうか。このことについては持論がありますので、次回にお話させていただきます。ただ、非常に難しい問題ですので、ご期待に応えられるかどうかわかりませんが……。