Vol. 04

店頭販売1000倍計画「第4回 店頭販売の優位性」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.07.25

“店頭で売れること=売れない理由はない”

株式投信の売り上げを伸ばすには、渉外担当による訪問販売以上に有効な方法はない。他行の販売戦略をヒアリングするまでもなく、渉外担当が動かなければ数字は増えないものと、当然のように考えられていました。しかし私が勤務していた銀行では、社内的に優先順位の劣る投資型金融商品を渉外担当者が積極的に推進することは難しく、テラーを中心に販売する作戦を続けるしかありませんでした。

したがって当時は、「テラーで販売実績を作る」=「株式投信はテラーでも売れる」=「渉外が売れない理由はない」という論法を実証することが一番の目標でした。しかし現実は、この論法とは違っていました。店頭販売には、渉外の訪問販売にはない多くの優位点があったのです。

「Q4 渉外の訪問販売と比べ、店頭販売が優れている点とは?」
「A4 実際に店頭販売を始めてみると、以下のような思いがけない優位性が浮かび上がってきました。」

 

“課題も多いが、優位性も明らか”

 

①事故やクレームが少ない

店頭の情報端末を活用できたり、本部や上席にもすぐに相談ができる環境にあるため、渉外担当に比べて間違ったセールスを行う確率が低く、コンプライアンス上、問題のない販売が期待できます。

②売上高の波が少なくなる

たとえ1人当たりの平均販売額が1百万円であっても、全支店の300 名以上のテラーが1人も約定できない日はありません。店頭販売の浸透とともに、日々のマーケット環境にもほとんど影響を受けない安定した売り上げが期待できるようになります。

③信託報酬が安定する

1 件1 百万円の積

④顧客へのセールス機会が多い

100 店舗の平均3 名のテラーが1 日10 人の顧客に対し新商品を1 ヵ月セールスすると、100 店×3名×10 人×20 日=60,000 人、20 人にセールスすると120,000 人の顧客に商品を紹介できます。渉外によるセールスに比べて商品の提案機会が圧倒的に多く、投資型金融商品を買っていただく可能性も必然的に高くなります。

⑤リピート客へのセールス機会も広がる

店頭販売では1 件当たりの販売額が少ないため顧客に十分な投資余力があり、新商品発売時やマーケット環境の動いた時が常にセールスチャンスになり得ます。逆に渉外による訪問販売は1件当たりの販売額が大きく、顧客の投資余力を奪う場合も少なくありません。いきおい顧客の負うリスクも大きくなり、販売方法やフォローの仕方によっては顧客を失うこともあります。

⑥どの店でも販売が可能

個人預金のない支店などありません。退職後の資産形成をめざす顧客の囲い込みも可能であり、どの支店でも実績を上げることができます(ただし従来のプロパー融資中心の出店や人員配置を変える必要はありますが)。

⑦追加コストがかからない

新たにお金をかけなくても、研修やセールスの仕組みさえ用意できれば、現状の人員で販売実績を上げることが可能です。経験者の中途採用も短期的に有効ですが、今在籍する人材を生かすことができるのが店頭販売だと思います。

以上が、私が実感した「店頭販売の優位性」です。ただし、店頭販売にも課題はたくさんあります。
次回は課題について説明しましょう。