Vol. 15

店頭販売1000倍計画「第15回 窓販における課題 3」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.10.11

“プッシュセールスから抜け出すには、知識の修得しかない”

研修中に「なぜ日経を読まないの?」と聞くと、「書いてある言葉が理解できないから、読んでもつまらない」という答が返ってきました。

研修を受講する日だけ、特別に日経新聞を買う――今でも多くのテラーが、そんな感じだと想像されますが、モチベーションを高めたテラーがプッシュセールスから脱却し、最高の顧客満足を提供するには、やはり知識不足を克服しなければなりません。

しかし、この最も難しい課題は、1人当たり年4回の研修だけでは果たせませんでした。研修は、経験やセールステクニックを伝え、モチベーションを維持するには効果的ですが、新鮮な知識を脳にインプットすることはできないからです。

「Q15 テラーたちに、日常的に知識をインプットする方法はあるのでしょうか?」
「A15 彼女たちに知識を修得させるために、毎日の経済指標をノートに転記させたり、支店でのマーケット情報の読み合わせを奨励したり、自分でも投資することを勧めたり、いろいろチャレンジしてみました。しかし結局のところ、仕事で無理やりやらされているという意識はなかなか拭えません。」

“難題を解くのにはもう少し時間が”

「私は、日経を摂っている」というCMがあります。食事やサプリメントと同様、経済情報なども習慣的に摂取できるようになることが、知識を修得する最善の方法だと私は考えます。

では、彼女たちが自主的に動き始めるための方法とは? 残念ながら今も試行錯誤の連続で、これといった確かな方法は見つかりません。

“もし、こんなものがあれば……”

そこで、この場を借りて、Q15 に答えるための私の取り組みをご紹介したいと思います。

私はまず、この難問を解くために従来の発想とは違う「知識を供給するインフラ」が必要だという仮説を立てました。

それは①自尊心を傷つけず(「あー簡単なんだ」と感じさせ)、②強制されている感じがなく(自ら進んで楽しめる)、③競争心を刺激する(負けず嫌いを利用する)もので、なおかつ④無料ないしわずかなコストで手に入るものであれば申し分ありません。そこで到達した結論が、ケータイ(携帯電話)の利用です。

GDP、FRBといった見慣れない言葉も、毎日のように目にすれば自然に理解ができます。株式市場の動きなども、「8月8日、衆議院の解散が決まりました。さて、その日の株価は次のどれ?――

①上がった、②下がった、③変わらない」。こんな問題に数多く接することで、マーケットの基礎知識を感覚的に理解できるのではないでしょうか。

このように毎日繰り返すドリルのようなもので、テラーが嫌がらずに利用するサイトができないかと考え、「窓販テラー向け携帯サイト」をテスト的に運営しています(むろん男性にも十分満足いただける内容です)。占いやプレゼント、ブログなども取り入れた気楽なサイトですので、ぜひ一度、アクセスしてみてください。

“お伝えしたかったことは……”

この連載も今回が最終回ですが、私がお伝えしたかったのは、いまだ店頭での販売が主力となっていない金融機関でも、数年で1000 倍の売上増を達成できるということです。

この記事が売り上げ1000 倍計画の参考になったかどうかは自信がありませんが、お話したようなことの繰り返しでここまでできたということは、ぜひご理解ください。

最後に、貴重な経験をさせていただいた前職場の皆様や、運用会社、保険会社の皆様に改めて感謝いたします。

今までの連載の内容などについては、下記までお気軽にお問い合わせください。長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。