Vol. 10

店頭販売1000倍計画「第10回 テラー研修成功のポイント2」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.09.05

“集合研修には賛否両論が……”

支店の人繰りや本部講師の確保など人的なコストのかかる集合研修には、批判的な意見も少なくありません。新商品の導入に伴う資格取得や事務処理方法など必要最低限の研修でさえ負担になっているのですから、テラーのスキルアップのために1人の行員を年に4回も招集する集合研修には賛否両論がありました。

しかし現在もすべてのテラー(400名)に対し、年間4回の研修を実施しています。研修は効果を上げるため20名程度で行いますから、年間70回も同様の研修を行うことになります。

「Q10 集合研修が規模を拡大して継続されるようになったのは、なぜでしょうか?」
「A10 販売実績が伸びればもう必要ないと言われないように、研修内容は随分工夫しました。」

 

“ある研修の例”

実戦的な研修といえばすぐ「ロールプレイング」が連想されますが、その前に商品の理解力を高めたり、顧客のニーズを引き出す考え方も理解してもらわなければなりません。そのような研修の例として、ポストイットを活用した「ブレーンストーミング」があります。以下は、具体的な研修の進め方です。

★研修の目的――為替の変動に影響を受ける3商品(ドル建て債券に投資する投資信託、外貨預金、ドル建て定額年金保険)の特徴と、そのセールスポイントを理解する
★人数――6名×4グループ

①3色のポストイット(7×12cm程度)とサインペンを用意する。

②まずはアンケート。「いま手元に300万円があります。今日から投資をする場合、あなたなら何を選びますか」。現状の知識の中でどんな商品が好みか、受講者に聞いてみます。

③アンケートの結果、外債ファンド15名、外貨預金6名、外貨建て年金保険3名となりました。その人数をホワイトボードに書きとめます。

④ポストイットの活用。最初に外債ファンドの良い点を、ピンクのポストイットに3分間でできるだけ多く記入させます。

【注意点:事柄1つにつき1枚使用する。1人5枚以上を目標。パンフレットなど見ても構わないが、短時間に集中して考えさせる。時間は、受講者のレベルに応じて短縮してもいい】

⑤続いてピンクのポストイットに外債ファンドの悪い点、黄色のポストイットに外貨預金、青色のポストイットに外貨建て年金保険の良い点・悪い点を、順に記入させる。

⑥それぞれが記入したポストイットを3商品の良い点・悪い点に分けて、模造紙に貼り付ける。これによって各商品に対する他人の考え方を知ることができ、セールスの幅が広がっていく。

【注意点:同様の事柄は重ねて、似たような事柄は並べるなど整理しながら貼り付けるようにする】

⑦グループ単位でブレーンストーミング。次に、それぞれの商品はどんな顧客に合っているのかをグループで考えさせる。

【注意点:時間がない場合は、1商品だけに絞ってもいい】

⑧おのおのの商品の良い点・悪い点、対象となる顧客について、グループの代表に発表させる。講師は発表を聞きながら足りない部分を補足し、ホワイトボードにまとめていく。

⑨最後にもう一度、「いま手元に300 万円があります……あなたなら何を選びますか?」と、同じ質問をする。すると必ず最初の答と違いがでるので、以下のようなまとめを行います。

「同じように為替の影響を受ける商品でも、色々な特徴があります。一方でこんなに選択肢があるのに、テラーの得意な商品だけをセールスされたお客様は不幸だと思いませんか」

「では次のパートでは、みなさんの理解度がいちばん高まった外貨建て年金保険について、ロールプレイングを始めましょう」

いかがですか。ロールプレイングへの取り組みが随分変わってきたと思いませんか。