Vol. 07

店頭販売1000倍計画「第7回 店頭販売成功のポイント2」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.08.15

“鍵はテラーのモチベーション”

「テラーの方は、販売実績に応じて給与が上がるのですか」。多くの金融機関の方から、こんな質問を受けました。答えはもちろん「NO」です。また、最近はしばしば販売上位者に対する特別研修も行われていますが、多分これだけでは、テラーがこんなに動きだすことはなかったでしょう。

「Q7 どうしてテラーのモチベーションが上がったのでしょうか?」
「A7 ベテランテラーが本気になって投資型金融商品を販売する理由は、インセンティブだけではないはずです。もっとも、そんな「人参」などありませんでしたが……。」

 

“投信販売でスポットを浴びる”

2002年上期にリスク限定型投信の導入で爆発的に販売額が伸びた時は、渉外を中心に短期間で目標を達成する支店が目立っていました。ですから当時は、テラーの数字が販売額に影響を及ぼすという本部の認識はなかったようです。

もちろん店頭販売比率などという指標も存在していませんでした。個人の実績を集計していなかったため、支店ごとのの販売額はわかっても、誰が投資型金融商品を売っているかはイメージでしか捉えられていなかったのです。

しかし02 年下期になると、研修や支店勉強会でロールプレイを行ったテラーがメキメキと力をつけてきたことが実感できました。そこで全店の販売員の実績を件数、金額ごとに集計し、個人渉外、法人渉外やテラーなど担当ごとのランキングを社内LANで公表することにしたのです(むろん個人ランキングの掲載には反対意見も少なくありませんでした)。

ここでのポイントは、①販売金額よりも販売件数を重視したこと、②なるべく多くの方が掲載されるようにしたことです。

すると、予想どおりの現象が起きました。今まであまり注目されなかった郡部のベテランテラーや渉外担当、意欲的な若手テラーなどの名前が次々と掲載されることになったのです。

実績のある有名テラーや評判の高い行員だけでなく、それまで運に恵まれなかった人達に、急にスポットライトが当たったわけです。これは、多くの行員のやる気を刺激しました。

一方で02 年下期には、投信販売に対する渉外担当の注力が、他の業務に支障をきたしているとの見方が出はじめました。そこで、テラーの販売実績がいっそう注目されるデーターを公表することにしました。そうです「店頭販売比率」です。

“店頭販売比率が低い=マネジメントに問題”

店頭販売比率を公表した時点で、全店平均では件数の50%、販売額の30%が店頭で占められていましたが、支店ごとの数字が公表されると、今度は次のような現象が起きました。

まずは、店頭販売比率が高い支店の活動事例がブロックごとの会議などで紹介されるようになりました。すると店頭販売比率の低い支店の支店長や営業キャップから「きんばいチームさん、うちの支店もテラーの実績を上げ欲しい」という要望が急に増えました。

勉強会の依頼を受けてその支店に行ってみると、店頭販売実績が上がっていない原因はすぐにわかりました。「支店の雰囲気が悪い」「渉外とテラーのコミュニケーションが悪い」「テラーリーダーが超ネガティブ」などです。

つまり、販売の不振はマネジメントに起因することが多かったのです。「店頭販売比率が低い=店頭部門へのマネジメントができていない」という評価が行われるようになったのも、当然のことといえるでしょう。

こうして、店頭販売は非常に重要なものであるという認識が銀行全体に浸透し、販売員たちも従来とは違った尺度で評価されるようになりました。やる気になって、結果が正当に評価されればモチベーションは上がりますよね。

次回は、支店勉強会についてお話します。