Vol. 06

店頭販売1000倍計画「第6回 店頭販売成功のポイント1」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.08.08

“店頭販売が増えた理由とは”

ご多分にもれず私が所属していた金融機関でも、店頭販売が増えた一番の原因は定期分配型投信の導入にありました。「100万円で毎月○○円の分配金が期待できます」といった定期分配型商品の魅力が、多くの顧客の目を投信に向けたことは事実です。しかしそれだけなら、こんな連載は必要ないでしょう。

「Q6 定期分配型商品の導入以外で、店頭販売を増加させた原因は?」
「A6 とにかく、「店頭でセールスする回数を増やした」ことではないでしょうか。投資型金融商品は、こちらから声を掛けないと販売に結びつきませんから。」

“販売員のセールス機会を増やすために”

①販売員の増員と販売する場所の確保

まず銀行の方針として、すべての行員に販売資格を持たせました。当初はそれで店頭販売が伸びると想定していたかどうかは疑問ですが、これが第1の原因です。その後、販売窓口を増設できたのも、資格を持ったテラーをたくさん確保できていたからでしょう。

またセールスする場所という点では、当初は専用端末のある専用窓口に限られていましたが、既存のローカウンターを預金窓口と誤認されないように整備し、全店のローカウンターで投資型商品を販売できるようにしました。

これは販売ツールを工夫することで、専用端末など設置せずローコストで実現できました。しかし効果は非常に大きく、販売窓口は一挙に300 カ所も増えました。1 人のテラーが1 日20 人にセールスできるとすれば、1 日で6000 回もセールス機会が増えたことになるわけです。

②セールスしやすい仕組みづくり

慣れない商品をセールスすること、特に最初の一声を掛けることは、販売員からすれば非常に苦痛です。顧客から警戒されないためにもキャンペーンなどを企画し、セールスしやすい仕組みを用意して、セールスが苦痛でなくなるような条件を整えていきました。どんなに自信のないテラーでも、「キャンペーンがあるのですが」なら気楽に声掛けできるはずです。

③セールスに活かせるツールの充実

窓販開始直後は、運用会社から提供される販売用ツールは多種多様でした。コストのかかる紙芝居形式のものや、冊子タイプのものも多かったと思います。銀行本部も、立派なツールが販売に役立つという感覚だったのでしょう。しかし実際には効果的に使われず、捨てられたものも少なくなかったはずです。

そこで発想を切り替え、テラーが3分間で容易に反復セールスができ、顧客に誤解を与えず無差別にドンドン配付できるツールを運用会社の方と共同で作成しました。

それは、商品の4つポイントをA4判1枚の表裏にまとめ、図などを示しながら説明できるものでした。このA4判1枚ものツールは、後に説明します研修や支店勉強会のロールプレイで徹底的に利用した結果、店頭の販売実績は着実に上がっていきました。

A4判1枚ものツールはまず各支店に100~200 枚配付し、支店に在庫がなくなると100 枚単位で請求がきます。請求の多い支店=店頭販売実績が高い支店という傾向が現れたのは、本当に利用されていたからでしょう。

やがて同種のツールは他の金融機関でも利用されるようになり、運用会社の方からもコスト削減効果を喜んでいただきました。

余談ですが新しい販売支援ツールは、研修で利用方法を周知徹底してから配付すると効果的です。

ロールプレイで効果的な利用方法を認知できれば、まるで魔法のアイテムのような感じでテラーに使ってもらえるからです。

店頭販売成功のポイントはあと2回お話する予定です。ご質問などありましたら、お気軽に下記にお問い合わせ下さい。