Vol. 02

店頭販売1000倍計画「第2回 テラーが味方になってくれた」

CATEGORY
ニッキン投信年金情報
DATE
2005.07.11

“誰からも注目されない仕事”

今では個人部の金融商品グループは花形(?)部署として、行内だけでなく他の金融機関からも注目されているようです。しかし2000年秋ごろは、営業店の仲間から「河合も大変な仕事だけど頑張れよ」などと励まされるような状態でした。周囲からも同情されるほど実績の上がらない業務を担当していたわけですが、力強い味方が現れました。

「Q2 力強い味方とは、ずばり誰だったのでしょうか」
「A2 第一の味方は、「郡部の支店長」です。現在、投資型金融商品で収益を上げることは、すべての支店の支店長の必達事項ですが、当時は違いました。」

そのころ最も重要視されていた業務は、法人業務と住宅ローンです。ところが法人数も人口も減少している地区では、何年にもわたり業績表彰などとは縁がなく、預金シェアの高さは預金保険料という、支店維持は人件費というコスト増大要因であるとさえ思われがちでした。その預金と人員を収益源に変えることのできる業務が、投資型商品の分野ではないか。そう理解していただいたわけです。

“ここで数字をつくるしかない”

そしてもうひとつの味方は、「テラー」でした。当時、世間はリストラ全盛期。銀行経営においても、店舗網の見直しや人員削減の必要性が叫ばれ、店頭で顧客満足を高めることは、「お客様を待たせずに早く手続きをすること」=「待ち時間の短縮」だと言われていました。ベテラン・テラーにとっては、まさに不遇の時代を迎えつつあったのです。そんな時、投資型商品の店頭販売に目を向け、「自分たちが収益に貢献できる初めての業務」と考えてくれるベテラン・テラーが現れたのです。

当時の私は、「この業務は大きくブレイクする」と信じていました。「注目されない仕事」=「外野に邪魔されずチャレンジできる仕事」であると捉えて、毎日が非常にポジティブであったように思います。そして現れた味方を生かし、以下のような作戦を立てました。

<株式投信に対するイメージアップ作戦>

1.顧客向け
・パンフレットや雑誌などを活用して、株式投信に対する知識を広める
・ポスターやパンフレット、キャンペーン企画などにより、商品の露出を増やす
2.本部向け
・株式投信の販売額目標を設定するよう働きかける
・本部職員に、株式投信を保有するよう働きかける
3.行員向け
・投信の有効性や、なぜ投資が必要か等について勉強会を実施する
・収益を得ることの重要性について、理解を深める

<店頭販売の体制整備>

1.「待ち時間短縮」主義との戦い―当時の銀行に蔓延していた「一番の顧客サービスは待ち時間を短縮すること」との認識を変える
2.ハードを整備し、投信端末を増設して、事務作業の簡素化を図る
3.セールススキル向上のため、実戦的研修や勉強会を実施する。販売支援ツールを作成する
4.本部内に、専門部署を設置する
このなかには実施できなかったことも、実施しても効果のなかったこともありますが、今後、順を追ってお話していくつもりです。